外反母趾
こんなお悩みはありませんか?
足の付け根が痛む
靴を履くと痛み出す
母趾が内側に曲がったままになっている
扁平足気味になっている
母趾の付け根の内側に突出部がある
このような症状が当てはまる場合は外反母趾の可能性があります。中高年の女性、特にハイヒールを履く方などに多く靴の影響が最も考えられます。
遺伝的影響として、足の形や足趾間の靭帯・筋肉の緩みや弱さなどによる軟部組織のアンバランスなどが考えられます。関節リウマチの合併症として生じることもありますが、原因としては先の細い靴や遺伝的要因が関係しています。
外反母趾で知っておくべきこと
足の親指が小指側に変形し、「くの字」になる状態です。ハイヒールを履く女性に多く見られ、靴の影響や遺伝的な要因が関係していると考えられています。外観でも診断可能ですが、第1中足骨と第1基節骨を結ぶ外反母趾角によって程度を診断します。具体的には、15°までを正常、15°~30°までを軽度、30°~40°を中等度、それ以上を重度と判断します。
状態が悪化すると、足の裏に胼胝(ベンチ:タコ)ができたり、親指が第2指の下に潜り込んだりすることもあります。また、親指は捻じれながら曲がるため、体重の負荷が爪の側面にかかり、巻き爪の状態になることもあります。早期に発見し、早めに整形外科や整骨院にご相談いただくことが重要です。
症状の現れ方は?
外反母趾の症状が進行すると、足の付け根や小指の付け根に胼胝ができ、痛みが生じることがあります。
胼胝が形成される原因として、足の横アーチが低下し、中足骨頭が足底に突出してしまうことで、動作の際に負担がかかるためです。また、母趾が外反しているため蹴り返す動作がうまく行えず、第2趾がその役割を代わりに果たしています。
さらに、母趾の内側の突出部分が靴に当たって刺激を受けることで、バニオンと呼ばれる皮下滑液包炎が発生することもあります。足の形態異常が原因で筋力のバランスが崩れ、歩行が困難になったり、足関節に疼痛や変形を引き起こすことも考えられます。
その他の原因は?
外反母趾の原因には、外的要因と内的要因が関与しています。
外的要因で最も多いのは、靴の不適合です。特に女性の場合、ハイヒールなどが外反母趾の原因として挙げられることが多く、足先が細く、体重が足底の前足部に集中してしまうためと考えられます。近年では、乳幼児の頃から履く靴が増えていますが、足の筋骨格形成において最も重要な時期には、裸足やサンダルで歩かせることが大切です。
内的要因としては、筋力の弱さや足の形態的特徴が挙げられます。特に、扁平足である場合や第2趾が長い足の形態は、外反母趾になりやすい傾向があるとされています。
外反母趾を放置するとどうなる?
外反母趾は、痛みが出ないからといって放置すると、足のバランスが不安定になり、足の裏が痛くなる足底筋膜炎や膝痛、腰痛などの原因になる可能性があります。また、足の付け根部分が痛くなる中足骨骨頭痛などの症状が発生しやすくなります。
外反母趾は、症状によって軽度、中等度、重度と分類されますが、傾きが30度くらいまでの軽度の方は、重症化を防ぐために足指の動かし方や筋力訓練、ストレッチなどの運動療法を行ったり、装具を装着して進行を防いだりする方法が取られます。ただし、角度そのものが治ることはありません。また、軽度の外反母趾で手術が行われることはめったにありません。
傾きが30度以上の中度から重度になると保存的な施術による軽減はあまり期待できず、手術という選択肢も入ってきます。
当院の施術方法について
熱感や腫れが強い場合は、アイシングやスパイラルテープでラセン状に貼り、圧迫を行います。熱感や腫れがない場合は、温熱療法や手技療法、鍼などを用いて血流を軽減していきます。
外反母趾では足の筋肉が固くなってしまう場合があるため、筋肉にアプローチし柔軟性を取り戻すことが可能です。初期は痛みがあるため、定期的にテーピングとマッサージを行い、痛みが軽減してきたら徐々に頻度を減らしていきます。状態が良くなってくれば、家庭でもできる足趾の運動やストレッチを取り入れて、足の筋力を鍛えていくことが望ましいです。
ただし、運動療法は軽症の場合に有効であり、ある程度症状が進行した場合には悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
改善していく上でのポイント
改善していく上で重要なのは、家庭でも行える足趾の運動を毎日少しずつでも行うことです。足指の運動は、変形して硬くなった関節をほぐしたり、筋肉を付けたりすることで、指を正常な位置に保つことが目的です。
指を「パー」に開いて十秒間保つ運動や、床に置いたタオルを両足の指を使ってたぐり寄せる運動も効果が期待できます。10回1セットで1日3セットを行うのがおすすめです。
靴を選ぶ際は、足の甲とかかとをしっかり固定できるスニーカーや、歩く時に足が前に滑ったり、かかとが脱げたりすることがない靴を選ぶことが大切です。爪先部分には指一本分の余裕がある靴を選びましょう。