片頭痛
こんなお悩みはありませんか?
ズキズキとする頭痛が数時間から3日間くらい続く
階段の上り下りで頭痛が悪化する
日常的な運動で吐き気や嘔吐の症状が出る
光や音に敏感になる
視界にキラキラ、チカチカとした光が広がる
などの症状が当てはまる場合、片頭痛(偏頭痛)に該当する場合があります。
頭痛には大きく「一次性」と「二次性」に分けられ、二次性頭痛はくも膜下出血や頭部のケガなど、何らかの病気やケガが原因で起こるものです。一次性頭痛は明確な病気やケガが原因ではなく、片頭痛や緊張性頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛などに分けられます。
片頭痛で知っておくべきこと
片頭痛は、頭の片側に「ズキンズキン」や「ドクンドクン」とした脈を打つような痛みが生じるのが特徴です。光や音が煩わしく感じたり、吐き気を伴ったりすることが多く、動きによって痛みが増すため、日常生活に支障をきたすことがよくあります。
片頭痛が始まる数十分前、あるいは同時期に閃輝(せんき)暗点と言われる前兆が現れることがあります。
・閃輝暗点とは、視野の真ん中にキラキラとした光やギラギラとした光が現れ、視界の一部が暗くなり、何も見えなくなる症状です。まぶたを閉じても光は消えず、そのまま残ります。原因としては、脳の後ろにある物を見る中枢の血流が収縮・拡張して起こるとされています。
症状の現れ方は?
片頭痛の原因やメカニズムにはさまざまな説がありますが、最も多いと考えられているのが三叉神経が刺激されて起こるという説です。
三叉神経が刺激を受けると、その刺激によってセロトニンが代謝して減少し、脳血管が拡張し、周囲に炎症が起こります。その結果、拡張した血管の周りに張り巡らされた三叉神経が圧迫され、動脈が脈打つ度に拍動性の痛みが発生します。
片頭痛を持つ喫煙者は脳卒中のリスクが3倍になるとも言われています。また、エナジードリンクやコーヒーに含まれるカフェインを毎日多量に摂取することで、カフェイン中毒となり、頭痛を誘発する恐れがあるため、飲みすぎないように注意しましょう。
その他の原因は?
日本人の3人に1人が片頭痛に悩んでいると言われています。全年齢層における片頭痛の有病率は、男性3.6%に対し女性は12.9%と報告されています(日本全国調査)。特に20〜40代の女性に多く、30代では20%、40代でも18%となっています。
主な要因としては、以下が挙げられます。
・女性ホルモンの増減
・遺伝的素因
・文化的要素
女性ホルモンと片頭痛には深い関係があると考えられており、生理が始まる数日前や生理中に頭痛を訴える女性は多く、いずれも月経周期において女性ホルモンが低下する時期にあたります。
片頭痛を放置するとどうなる?
片頭痛を長年にわたり適切な治療をせず放置すると、加齢に伴い片頭痛は軽減することがありますが、難治性の浮動性めまいや頭痛、頭重感、耳鳴りなどを発症することがあります。また、脳梗塞やアルツハイマー病などの認知症のリスクを伴う場合があります。
片頭痛を持つ方は、一般の方よりもおよそ1.5倍心筋梗塞になりやすく、脳梗塞は2.3倍、出血性脳卒中はおよそ2倍と、リスクが高いことが明らかになっています。特に、片頭痛と診断され早期に発症することが多く、診断後1年以内における脳梗塞の類型発症リスクは実に8.37倍、出血性脳卒中は7.89倍にもなることが示されています。
当院の施術方法について
当院の施術としましては、『鍼施術』を取り入れています。
鍼施術は血管を圧迫している首の筋肉の硬さを鍼で優しく緩めていく施術が主体となります。首には細かい筋肉が複雑に走行しており、圧迫の原因となっている硬い筋肉への局所的な施術に、鍼はとても有用です。
また、頭の付け根にあり、頭の重さを支えている後頭下筋群の一つである「下頭斜筋」という筋肉は、硬くなると大後頭神経や小後頭神経を圧迫し、頭痛を引き起こすことがあります。下頭斜筋などの筋肉は体表から深い位置にあるため、鍼施術でないと適切な刺激が届きません。この部分への鍼施術は、施術を受けている患者様にとっても心地よい刺激となることが特徴です。
改善していく上でのポイント
片頭痛の改善に向けて、睡眠を多くとることは重要なポイントとなります。頭痛が起こった場合、なるべく頭に余計な刺激を与えないことが大切です。早めに暗く静かな部屋で横になりましょう。さまざまな刺激があるほど、片頭痛の発作が起こりやすくなります。
その他、誘発因子となりやすいものには「香水やにおい」「暑さ」「煙」などがあります。心当たりのある方は、頭痛が起こっている時間帯はこれらを避けるようにしましょう。
また、チーズなどの発酵食品やチョコレート、赤ワインなどのアルコールを多く摂取している方は頭痛を引き起こす可能性が高い傾向がありますので、一度食生活を見直してみてください。